【政策緩すぎ?】スウェーデンのコロナウイルスの現状

留学

Hej!スウェディッシュヌードラーです。

新型コロナウイルスの蔓延により、世界は大きく変化してしまいました。当初は楽観視していた欧州、米国が、今や感染の震央になっています。

私の暮らすスウェーデンも日々感染者は増加の一途を辿っていますが、他の国々と違った政策が取られていることがいい意味でも悪い意味でも注目されています。

 

今回の投稿では、新型ウイルスに関わるスウェーデンの現状をレポートしたいと思います。

まず、2020年4月22日(水)現在、スウェーデンにおける感染者数は、16,004名1となっています。

公衆衛生局のホームページでは、地域別、性別、年代別等、カテゴリーごとに詳細な情報が手に入ります。

亡くなった方の数は1,937名1で、そのおよそ9割が70歳以上の高齢者となっているようです。

(※ちなみに、同日現在、日本は感染者数11,496名、死者数277名2です。)

 

私が気になったのは、スウェーデンの死者数です。人口あたりの死者数を世界と比較3すると、上から10番目に位置しています。かなりのインパクトです。

 

日本では朝の情報番組でスウェーデンのコロナ対策が「緩い」として、特集されていたと聞きましたが、スウェーデンのコロナ対策は「緩い」のでしょうか。

 

結論からいうと、「緩い」です。完全に市民任せと言えると思います。

 

スウェーデンは、いわゆるロックダウンはされていませんし、小・中学校も普通に開校されています。大学は全てオンライン授業に移行され、教員もテレワークを要請されていますが、大学内のトレーニングジムは通常通り稼働中で、併設体育館でのスポーツ活動も継続中です。(ちなみに、私はバレーボールサークルに入っています。)

政府からの自粛要請もされているようでされていない、というのが正直なところです。

しかし、体調が悪ければ、症状が軽いものであっても、自宅にいることを勧められています。ここにスウェーデンの「緩い」対策の特徴が現れていると、私は考えています。

というのも、、、

スウェーデンでは、平常時でも、体調が悪ければ学校、会社を休みます。というか休めます。日本のように、空気を読むことなく。(もちろん例外もあります。)子どもの体調が悪ければ、保護者は休んでも大丈夫な制度が整っています4。日常的に、家で「自粛」できる文化が染み付いているんじゃないかなと考えられます。

それと、冗談みたいな話ですが、緩くて大丈夫な理由として、こんなのも一理あるなと思います。(※写真はTwitterより)

いつも人とは一定の距離をとっている文化は、あるような気がします。

 

それから、スウェーデンでは「集団免疫」の考え方が一定程度支持されており、長いスパンで感染者数を増やし、多くの人々が抗体を持った方がいいとの意見があることも「緩い」対策の背景にあるはずです。実際、私が所属する合唱団のメンバーにも「早くかかってしまって免疫を付ける方がいいよ」と言っている人が複数いました。

 

自己責任の文化もその背景にあると考えられます。「若いし、かからないはず。感染してしまえばそれは自分のせい。」という観点からの自己責任がある一方で、「人に迷惑をかけてはいけないから、体調が悪ければ外に出ない。」という観点からの自己責任もあります。

また国に対して一定程度信頼を置いていることもあるかもしれません。現在のスウェーデンは徹底した個人主義・競争社会である一方、社会民主主義的な国として発展してきた国でもあるので、国を頼れる・頼ってもいいというカルチャーが、「緩い」政策を「緩い」ままにしている原因とも考えられます。

 

しかし、感染者数はもちろん、人口あたりの死者数がかなり増えてきている現状を鑑みると、スウェーデン政府の「緩い」政策は、果たして正解だったのか?という疑問が出てきています。

私の住む街ではマスクなんてほとんど誰もしていないですし、4月になり気候が良くなってきたことも相まって、街の人たちはピクニックやfikaを楽しんでいます。幸い、私の住む街では感染者がほとんど確認されていません。そのために、人々の気が緩んでいることは否めません。ソーシャルディスタンスは意識している様子ですが、密な状況も日常茶飯事です。

 

収束の見込みが全くない現状では、まだ対策の是非を判断できる段階にはありません。

PCR検査数を抑えて医療崩壊を起こさないようにしたり、徹底的に都市封鎖をしたりと、世界各国の対策はさまざまです。

とは言え、おそらく今私たちができることは、政府や周りの人間を過度に批判することではなく、周囲と協力しながら基本的な手指消毒やソーシャルディスタンスを心がけることだと思います。

先行きの見えない暗い世界になってしまいましたが、今できることを精一杯やりながら、笑って過ごせる日が来ることを祈りましょう!!!

 

それでは、Hej då!

 

後記:少し前にしたfikaの写真をどうぞ。日差しが暖かくなってきました。日照時間も長い〜

 

 

 

1 公衆衛生局ホームページ内ウェブ統計より(最終アクセス2020年4月23日 https://experience.arcgis.com/experience/09f821667ce64bf7be6f9f87457ed9aa

2 厚生労働省ホームページ(最終アクセス2020年4月23日 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html#kokunaihassei

3 Worldometers(最終アクセス2020年4月23日 https://www.worldometers.info/coronavirus/

4 高橋美恵子 (2018) 「スウェーデンにおける仕事と育児の両立支援施策の現状」(独立行政法人労働政策研究・研修機構ウェブサイトより)(最終アクセス2020年4月23日 https://www.jil.go.jp/foreign/labor_system/2018/12/sweden.html

 

参考

Folkhälsomyndigheten(スウェーデン公衆衛生局)ホームページ(最終アクセス2020年4月23日 https://www.folkhalsomyndigheten.se/smittskydd-beredskap/utbrott/aktuella-utbrott/covid-19/bekraftade-fall-i-sverige/

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました